がん患者へのピアサポート雑感(神奈川県)

K病院には、がんの拠点病院としての県指定・国指定を受けて以来、院内の緩和ケア委員会が主催するがん患者の集い(いわゆる患者サロン)が開催されている。今月の会で、がん患者への支援の諸資源の話があった時にふと出たのは、「この会」を知らない人も多い点である。もう6年の歳月を経て、多彩な職種のメンバーからなる委員の皆さんが懸命の努力されていているのに、周知には至らないのである。院内にポスター掲示・パンフレット配布・HP上でのお知らせ・開催日には院内放送と手を尽くされているが、案外通院患者の目に留まらず耳を素通りしているのである。(もちろん無関心な患者もあろうが) 

患者の視点からいえば、常設開催場所の設定・医療者(特に主治医)からの推奨・HP上での掲載コーナー常設(お知らせでは見過ごしてしまう)が必要と思う。また、患者サイドでも積極的な支援をすべきであろうと思われる。委員会の部外メンバーとして、適切な人材を患者の中から求めればいい。

ピアサポートは何だろうとの声もあった。ふと思い出したのが、6年ほど前の事だろうか、日本対がん協会から出された「ピアサポート研修テキスト」である。関心があったので、患者会で配ったりもしてみたことがあった。その後、各都道府県でピアサポーターの養成研修企画が推進されてきている。近隣で出色だと思うのは、千葉県のケースである。県が主催するピアサポーター養成研修にて適切な人材を育成し、チーム編成で要請のある拠点病院で「ピア・サポーターズサロンちば」を開催している。このチームが、現場の声を反映してサポーターの研修やサロンでの改善を積み重ねているのである。

身近にあればと、神奈川県を見てみると、県独自でのピアサポーター養成研修の計画はなくて、ピアサポートの開催を患者支援団体であるキャンサーネットジャパン(CNJ)(独自の研修養成を行っている)へ県が委託して実施している病院と独自または患者会との協働で実施している病院とに色分けされる。その多くは、乳がん患者に特化している。がん対策の実施推進は各都道府県の責務なので、委託するなり育成するなりの一貫した方針が必要なのではないだろうか。

神奈川県には、「かながわ健康財団」なる公益財団法人があり、県民の健康づくりやがん対策の支援を行っている。その中の一端で、「がん患者会情報交換会」が開催されている。県内には、がん関連患者会は数多くあるが、参加対象者は県へ登録されている患者会に限られている(現在21団体)。本年度の交流会への参加は、10団体14名であったとのこと、折角の講演や交流の機会が多くの患者会の人たちへは届かないのが惜しまれる。このような点でも、一貫した公開性が望まれる。 

 

神奈川県の拠点病院(国指定18・県指定11)の所在マップと、拠点病院での患者サロン・ピアサポートの実施の有無の一覧を載せておいた。内容まで立ち入るのは難しい。      (百軒)